TOP > 介護・福祉関連情報 > 同一建物等減算の対象拡大、福祉用具に「上限価格」導入―解説・18改定vol5

同一建物等減算の対象拡大、福祉用具に「上限価格」導入―解説・18改定vol5

一覧に戻る

2018年度の介護報酬改定で適用の対象が広がり、減算幅も拡大されるのが、いわゆる「同一建物等減算」だ。対象が一般的な集合住宅にも拡大される上、さらに厳しい減算を課す枠組みも設けられる。また福祉用具貸与では、ほぼすべての商品に上限価格が設定される。

現在の「同一建物等減算」は、訪問介護事業所などが有料老人ホームなどに住む人にサービスを提供した場合に適用される制度。サービスとしては「訪問介護」と「夜間対応型訪問介護」「訪問入浴介護」「訪問看護」「訪問リハビリテーション」が対象だ。具体的には、次の条件に合致すると、本来の報酬額から10%が減額される。

(1)サービスを提供する有料老人ホームなどが、訪問介護事業所などと同じ建物内か隣接する敷地内にある場合。

(2)(1)以外の場所の有料老人ホームなどで、1カ月にサービスを提供する人数が20人以上になる場合。

■同一減算、最大15%の減算幅に
4月以降、この制度に2つの変更が加えられる。
まずは、対象となる建物の種類の拡大だ。現行制度では、有料老人ホームや軽費老人ホーム、養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅だけが減算の対象となっているが、4月以降は、この条件を撤廃。一般的な賃貸アパートやマンションの住人にサービスを提供した場合も減算の対象となる。

もう一つの変更は、減算幅の拡大だ。具体的には、訪問介護事業所などが事業所と同じ建物か、隣接する敷地の建物の集合住宅の住人にサービスを提供する場合で、1カ月のサービス提供者数が50人以上になった場合、減算幅は15%まで拡大される。

また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護でも、同じ考え方で減算が強化される=表=。



※クリックで拡大


さらに同一建物等減算の適用を受けた人の区分支給限度基準額の判定方法も4月から変更となる。詳細は、こちら

■福祉用具貸与、10月から各商品に価格の上限設定
福祉用具貸与については、一部で極端に高い価格で貸与が行われている実態があることから10月以降、貸与価格の全国平均が公表されるようになる。さらに貸与価格の全国平均などから、価格の上限も設定される。そして、上限を超えた価格で貸与をする場合、その商品は保険の対象外となる。

■商品の淘汰や価格の下落を招く可能性も
価格の上限の設定は、「全国平均貸与価格+1標準偏差」の考え方で定められる。例えば、貸与価格の分布が図のような正規分布を示す場合、上記の考え方で上限を決めると、16%の商品が保険の対象外になる=図=。



※クリックで拡大


ただし、これは、あくまで価格が正規分布している場合の話だ。同じ商品でありながら価格の格差が極端に大きく、比較的高価格の商品も多い場合などでは、保険外となる商品は、16%よりも多くなることもあり得る。

いずれにせよ、この制度によって保険の適用外となった商品は、淘汰される可能性が高い。4月以降、お勧めする商品の価格だけでなく、その商品の全国の平均貸与価格も併せて説明することが福祉用具貸与事業者に義務付けられることも、淘汰に拍車を掛けるのではないか。

さらに厚生労働省は、上限額や平均貸与額について、概ね年に1回の頻度で見直すとしている。言い換えるなら、「平均を引き上げていた割高の商品を淘汰するように仕向けた上で、再び平均をはじき出し、上限値を定め直す」という作業を毎年、繰り返すわけだ。

仮にこの仕組みが変更されることなく何年間も継続すれば、福祉用具貸与の価格は下落を続け、介護給付費は抑制されるだろう。ケアマネジャーにとっても業務の複雑化と作業の増大を招く可能性がある。

■上限の設定対象は「月100件以上の貸与実績」がある商品
給付抑制につながりかねない上限価格の設定や全国平均の貸与額の公表だが、その対象となるのは、月100件以上の貸与実績がある商品。厚労省によると、「TAIS」コードを取っている既存の福祉用具であれば、98.3%が、この条件に該当するという。つまり、ほぼすべての商品が対象になると考えてよい。

そのほか、福祉用具貸与事業者に対しては、利用者に交付する福祉用具貸与計画書をケアマネにも交付することや、機能や価格帯の異なる複数の商品を利用者に提示することも義務付けられる。

提供:ケアマネジメントオンライン(別ウインドウで開きます)

一覧に戻る

このページのトップへ戻る

介護・福祉関連商品・サービスの検索