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特養・老健、改定で「役割」がより鮮明に―解説・18改定vol4

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2018年度の介護報酬改定では、特別養護老人ホーム(特養)の基本報酬はすべての類型で引き上げとなった。介護老人保健施設(老健)の基本報酬も、ほぼ引き上げといえる形で落着した。単位などを概観すると、特養には「終(つい)の棲家」としての役割を、老健には自立支援と在宅復帰のための役割を、それぞれより強化しようとする国の意図が浮かび上がる。

■基本報酬はすべて引き上げ―特養
特養の基本報酬は、すべてが引き上げとなった。基本報酬の一例は次の通り。



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■看取りや夜間対応など、医療との連携を加算で評価

特養の改定の特徴といえるのが、医療提供体制の充実に対し、手厚い加算が用意されたことだ。例えば、特養の配置医か協力医療機関の医師が、施設の求めに応じ、早朝や深夜に入所者の診療を行った場合に算定できる「配置医師緊急時対応加算」が新設され、その単位は、早朝か夜間の場合で650単位、深夜の場合では1300単位。いずれも一回の診療に対して付けられる単位だ。

また、従来からある「夜間職員配置加算」には、夜間に看護職員か痰の吸引などに対応できる介護職員を配置している場合に算定できる新たな枠組みを設けた。さらに、実際に施設内で利用者を看取った場合をより高く評価するため、「看取り介護加算」にも新たな枠組みが用意された。

一方で、外部のリハビリ専門職と連携することで算定できる「生活機能向上連携加算」(200単位/月)が新設されるなど、自立支援や重度化防止のための取り組みも拡充されてはいる。ただ、それでも、看取りなどに割かれる単位数の手厚さを考えれば、今回の改定は、特養の「終の棲家」としての役割を強化する内容といえる。

■基本報酬「その他」導入で、メリハリの効いた改定に―老健

老健の基本報酬には、「その他」が新設された。また、類型を決定するための「在宅復帰・在宅療養支援等指標」(指標)が導入された=表1=。



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この指標では、在宅復帰率やベッド改定率、リハビリ専門職の配置など10項目について、施設の取り組みを3〜4段階で評価。そして、評価で示された数字を足し合わせた値が基本報酬の類型を決める上で重要な要件となる。

例えば、「在宅強化型」を算定するには、指標で60以上の評価を受けなければならない。一方、「その他」であれば、指標でのポイントはゼロでもよい。そのほか、退所時指導や地域貢献活動などの諸要件も在宅強化型では満たす必要があるが、「その他」であれば、満たす必要はない。そして、「在宅強化型」や「基本型」は「その他」より、高い単位が設定されている=表2=。



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つまり、自立支援や重度化防止のための役割を果たす老健には高い報酬を付ける一方、役割を果たせない老健は「その他」とし、低い報酬に甘んじさせるという、メリハリの効いた内容なのだ。この点は、現在の従来型の基本報酬と比べても「その他」の基本報酬が低く設定されている点からも明らかだ。基本報酬だけではない。「その他」となった老健では、「短期集中リハビリテーション実施加算」など、19もの加算が算定できない。

厳しい経営環境に置かれることが容易に想像できる「その他」だが、この類型に位置付けられる施設は、既に述べた指標の数値が「20」に満たない施設だ。

そして、指標の評価項目の中には、要介護4以上の人の割合や居宅サービスの実施数、支援相談員の配置割合といった内容も含まれている。それだけに、自立支援に力を入れる老健ばかりでなく、「自宅復帰が難しい要介護度が重い人をたくさん受け入れ、医療的ケアにも十分に対応している」といった老健であっても、「その他」に位置付けられることを免れることはできる。

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