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【解説】厚労省が急性期病院の“改革プラン”―評価体系を大幅見直しへ

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来年春の診療報酬改定に向け、厚生労働省は先月、急性期病院の入院基本料の評価体系を大幅に見直す“改革プラン”を明らかにした。今後、若年層の人口減少などに伴い、入院患者の疾患や年齢構成も変化することが想定されるため、診療の実績に応じて段階的に報酬を上乗せする仕組みを導入し、急性期病院の機能の転換を後押しすることが狙いだ。

急性期病院の入院基本料は現在、看護職員の配置基準によって、「7対1」と「10対1」の2つに分かれている。このうち7対1のベッド数は、今年4月時点で約35万4000床に上り、一般病床全体の6割近くを占める。

7対1では、▽看護職員の配置(患者7人に対して看護職員1人)▽重症患者の割合(25%以上)▽平均在院日数(18日以内)―と主に3つの評価基準がある。一方、10対1には、重症患者の割合に応じて3段階で報酬が上乗せされる加算があり、重症患者の割合が24%以上になると、入院基本料に1日550円が追加される=表=。



※厚労省の資料より抜粋。クリックで拡大


現行の制度では、病院全体の平均値が評価の対象となっている。例えば7対1の場合、重症な患者の多いA病棟の看護配置が5対1で、症状が安定した患者の多いB病棟の看護配置が9対1でも、全体で「7対1」と「25%」の基準に届けば、入院基本料の要件をクリアしたことになる。

一方、7対1と10対1の報酬上の差は大きいため、病院側がいったん7対1を届け出ると、10対1へ移行することが困難な現状もある。厚労省の試算によると、10対1で最上位の加算を取得したとしても、7対1との報酬差は、200床の病院で年間約1億2000万円に上る。

団塊の世代が全員75歳以上となる2025年に向け、国はここ数年、地域の医療ニーズに沿った病床の再編を促している。高齢者が多数を占める人口構造になると、慢性疾患が主流となり、急性疾患の患者数が減っていくが、同省側は、急性期病院が機能を転換する上で、現行の制度は足かせになるとみている。

厚労省の“改革プラン”は、10対1の看護配置を基本とし、診療実績に応じて報酬を上乗せする仕組み。最上位の入院基本料を算定する病院に対しては、7対1の看護配置を求めるが、重症患者の割合は段階的な評価に改める=図=。7対1と10対1の間の評価をつくり、病院側の機能の転換を支援することが狙いだ。



※厚労省の資料より抜粋。クリックで拡大


■焦点は「30%以上」への引き上げ

今後の焦点は、重症患者の割合の要件だろう。7対1の看護配置を求める最上位の報酬で、「25%」よりも引き上げることになれば、事実上、現行の7対1の要件を厳格化することになる。重症患者の割合の要件は、昨年春の診療報酬改定で見直されたばかりで、日本医師会(日医)や病院団体などの反発も予想される。

一方、急性期病院の中には、重症患者の基準を大きく上回っている病院もある。厚労省が昨年8月から3カ月間、全国の入院患者について調べたところ、7対1の届け出病院の3割近くは、重症患者の割合が「30%以上」だった。また、10対1の届け出病院の約2割は、7対1の基準に当たる「25%以上」を満たしていることも分かった。

中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)では今後、「30%」をめぐる論戦が繰り広げられそうだ。

■方向性に異論なしも…要件めぐり対立

事実、厚労省が“改革プラン”を明らかにした、11月下旬の中医協の総会では、同省案の基本的な方向性に対して大きな異論は出なかったものの、最上位の報酬の要件をめぐり、「25%以上」の現状維持を主張する医療者側と、引き上げを求める保険者側の意見が対立した。

健康保険組合連合会の幸野庄司理事は、「重症患者の要件を見直さないと、(評価の)階段をつくる意味はない。真に急性期を評価するのならば、25%以上に引き上げるべきだ」と主張。これに対して日医の松本純一常任理事は、「7対1の病院は危機的な状況だ。さらに厳しくする提案は到底容認できない」と強く反発した。

日本看護協会の菊池令子副会長は、7対1と10対1の間の評価をつくる方向性には賛意を示す一方、看護配置が現行よりも手薄になる病院が出ることで、「医療安全やケアの質を担保できるのか危惧している」と述べた。

7対1は入院基本料が最も高い上、ベッド数も多く、国の財政に大きな影響を与える。経過措置を含む今後の要件の行方は、今月中旬にも決まる改定率に委ねられることになる。

提供:ケアマネジメントオンライン(別ウインドウで開きます)

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