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旬の話題レポート

NEW 株式会社日本ケアサプライ(消毒マーク事業者)が清潔・安心・信頼のサービスで「ハイ・サービス日本300選」を受賞

株式会社日本ケアサプライ
※「ハイ・サービス日本300選」とは?
平成19年5月に公益財団法人日本生産性本部が設立したサービス生産性評議会により、技術革新、生産性向上に役立つ先進的な取り組みを行っているサービス企業・団体を表彰・公表するもの。日本経済の7割を占めるサービス産業の底上げを目標とする。

選定にあたっての評価項目には、
  • 1)科学的・工学的アプローチ
  • 2)サービスプロセスの改善
  • 3)サービスの高付加価値化
  • 4)人材育成
  • 5)国際展開
  • 6)地域貢献
がある。
   このたび、当社が「ハイ・サービス日本300選」を受賞しましたことは、我々の創業以来の企業理念、また、福祉用具のレンタル卸サービスのパイオニアとしての事業モデルそのものが一定の評価を得たという思いがあり、非常に感慨深いものがあります。

   当社は、清潔感・安心感・信頼感の「三感王」として、常に時代のニーズをいち早く取り入れたシステム開発を行ってまいりました。なかでも、事業開始時から自発的に行ってきた 「洗浄・消毒・点検・補修」という徹底した品質管理体制のもと、平成16年に福祉用具の消毒工程管理認定マークを第1号で取得したという経緯は、受賞の大きな要因だったのではないかと自負しております。商品管理という点では、約30万件の保有商品の構成部品単位ごとにバーコードを貼り、その流通の工程を一括管理していることも特長です。おかげさまで、当社の扱う福祉用具は、ご利用者の方からの信頼も厚く、現在、「グリーンケア」取扱店として全国で3000事業者と提携するまでに拡大いたしました。当社が独自に開発するオリジナル商品も年々増えており、今後も力を入れていきたいと思っているところです。

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シルバーマークの軌跡

株式会社日本ビコー  代表取締役  大野  哲義 氏
質のよいサービスの継続的な提供をめざして、マネジメント分野の人材育成にも注力
大野 哲義 氏
株式会社日本ビコー
株式会社日本ビコー
   当社は平成2年に社会福祉法人八千代美香会における福祉施設の実績、ノウハウをもとに「在宅介護サービス」を目的に設立しました。訪問介護・入浴と福祉用具貸与・販売がちょうど半々のサービス展開で、ともに介護保険制度施行以前からシルバーマークを取得しています。

   なかでも、訪問入浴事業を展開するにあたっての当社独自の取り組みとして、利用者・ケアマネジャーに対してサービス満足度のアンケート調査を行っています。アンケート調査の結果を利用者の声として受け止め、よりよいサービス提供に向けて活かしています。また、地域施設などで訪問入浴サービスの出張デモンストレーションを無料で行っています。こうした取り組みを通して、理念である「ご利用者の尊厳を守り、地域社会の発展に寄与する」ことを実践しています。

   また、利用者の尊厳を守り、地域社会の発展に寄与するためには、質のよいサービスを継続的に提供することのできる体制づくりが必要です。この考え方に基づき、当社では従来の本社による統括、業務種別による縦割りの会社組織から、事業所ごとに管理職を置き、管理職会議によって各事業所の連携を図る形に改め、専門職の役割を重視したうえで、会社体制としてマネジメント分野の人材育成に一層注力していけるよう、このたび組織改革を行いました。

    そして、介護職員のキャリアパス等の見直しも含め、社員にとって働きやすい環境の整備を進めています。他にも研修を希望する看護師に対しては休暇援助等を行っています。これは、当社の基幹事業である訪問入浴サービスにおいて、看護師の存在が利用者の安全を確保する大事な役目を担っているという考えに基づいています。

    シルバーマークは元来、従業員の意識向上や標準化、上場企業並みの業務管理体制の整備、各種監査の対応など、業務管理体制における標準型を介護業界に投げかけてきた存在であり、当社としてもシルバーマーク取得によるその効用は大きいものでした。そうした厳しい管理基準が認められているため、介護保険法施行以前では行政委託事業の受託に必須であったのがシルバーマークでした。めまぐるしく変化してゆく介護業界のなかで、今回新たにマネジメント基準が新設され、ともすれば事務仕事への軽視や責任分担の不明確な業務等が多くなりがちな介護の現場があるなか、介護保険上の適正なサービスの提供を促し、安定したサービスの供給を可能とする、シルバーマークの培ってきた強みが発揮されてくる領域だと感じています。今後のシルバーマークには、シルバーサービス振興会の支援するサービス情報の公表制度との連動など、介護業界においてより強い影響力を発揮していくことを期待します。

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消毒マーク事業者訪問

株式会社トーカイ  シルバー事業本部 商品管理部 ゼネラルマネジャー  石川  和昭 氏
千葉商品管理課 千葉メンテナンスセンター チーフ  高橋  一臣 氏
「トーカイブランド」をかけて、限りなく「絶対」に近い安全性を追求する
石川 和昭 氏
高橋 一臣 氏
株式会社トーカイ
   当社は、平成8年にシルバー事業を立ち上げ、介護保険制度が始まった平成12年には、福祉用具貸与・販売を10営業所でスタートさせました。地域のお客様に、よいサービスをより早く提供する地域密着型のサービスをめざし、現在では東海、関東、九州地方を中心に32営業所を展開しています。

   福祉用具の利用者は高齢の方が多いので、当社が提供する福祉用具の安全性には限りなく「絶対」に近いものを求めています。多くの時間、コストをかけて消毒や保守・点検を行い、商品の流通もバーコード管理で徹底しています。大がかりな設備が必要になるマットレスも自社で消毒を行っており、平成21年4月に業務を開始した千葉メンテナンスセンター(写真)では、関東13拠点のマットレスの消毒を一手に引き受けています。正直なところ、これだけの設備投資は高齢者数がピークを迎える2025年までに回収できなければ厳しいのですが、それでも攻めの姿勢を貫いていくのは、高い品質の福祉用具を提供していきたいという「トーカイブランド」のプライドです。

   しかし、こうした消毒等にかける努力は一般の利用者にはわかりにくいものです。品質の高さを利用者にわかるように見える化し、安心してご利用いただくようにすることも我々の責任ですので、福祉用具の品質管理を保証する唯一の制度である「福祉用具の消毒工程管理認定制度」を取得しました。現在7つの事業所で認定を受けています。千葉メンテナンスセンターについては、認定制度の基準に合わせて建物を設計しました。

    認定制度の取得によって、社内の意識も変わりました。従業員の勉強会では、菌に対する意識が変わったといいます。有害な菌から利用者を守るだけでなく、自分たちの身を守ることも大切であると改めて認識したようです。また、基本的なことですが、日々の業務に追われておろそかになりがちな清掃もしっかり行うなど、職場環境をきれいに保つという意識も生まれました。

    そのほか従業員教育として、毎年1回全国の事業所から全従業員を集め、1泊2日の研修を行っています。コンプライアンスや福祉用具に関する専門知識などを題材に、資質の向上をめざしています。平成21年度は、福祉用具のより高い安全性を確保するため、メーカーの担当者を招いて商品知識やメンテナンスの講義をしていただきました。大変勉強になりましたので、今後も続けていくつもりです。

    今、福祉用具業界ではレンタル価格を下げる風潮にありますが、品質を担保するための設備投資や管理はそれなりの出費になります。安易な値下げには追従せず、「トーカイブランド」の優位性を追求していくスタイルを変えるつもりはありません。認定制度が今以上に利用者やケアマネジャーの間で認知されれば、認定事業者としての差別化が図れると思いますので、シルバーサービス振興会とともに、より一層認知度向上活動にも力を入れていきたいと思います。

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『介護保険制度の施行から10年を経て、今後の課題と方向性』

―シルバーサービス振興会月例会レポート
三輪 和夫 氏
   シルバーサービス振興会は、7月1日、第222回月例研究会を都内で開催した。
今回は厚生労働省大臣官房審議官の三輪和夫氏を講師に迎え、「介護保険制度の施行から10年を経て、今後の課題と方向性〜民間事業者に期待するもの〜」と題して、講演を行った。

   講演では、まず介護保険制度の実施状況を振り返り、介護保険施行年の2000年4月末と、丸9年を経た2009年4月末を比較し、1)65歳以上被保険者数は2,165万人から2,838万人へ(32%増)、2)要介護・要支援認定者数は218万人から469万人(115%増)、そして3)要介護・要支援認定の申請件数は269万件から500万件(2008年度数値・86%増)と、高齢者人口の増加および制度の定着とともに、確実にその数字が増加していることを挙げた。

   また、高齢者人口と要介護認定者数の今後の推移予測では、2025年に団塊世代が75歳以上の後期高齢者になると、全人口の4人に1人は後期高齢者で、要介護(支援)認定者数は1.6倍に、介護給付費は現状維持スケールで2.4倍の19兆円(いずれも2010年度比較)にまで膨れ上がるとしている。

   一方で、国が推進している地域包括ケアシステム(要介護状態になっても可能な限り住みなれた地域や自宅で生活し続け、人生の最期のときまで自分らしく生きることを実現できる社会基盤)の実現には、人材もサービスの多様化もこれまで以上のものが要求され、国の財政で対応できるのか、保険料がどこまで上がるのかといった不安に対し、三輪氏は介護給付費の財源構成を示しつつ、甲費負担分を上げて保険料を下げる、第2号被保険者の年齢を下げる、軽度の要介護者の負担割合を1割から2割にするなど、さまざまな案が出ていると述べた。

   このほか、今回提示された、介護保険制度改正に向けた議論の基本的な論点は以下のとおり。

■サービス体系のあり方(地域包括ケアの実現)
・地域の中での介護サービスの提供(在宅支援の強化、施設の多機能化)
・医療と介護の連携体制の強化(在宅療養の強化、訪問看護の体制確保)
・高齢者の住まいにおける介護サービスの充実、施設の居住環境の向上
・介護職員の資質の向上
・認知症を有する者に対するサービス確保
■持続可能な制度の構築
・保険料上昇に対する財政的な措置
・介護職員処遇改善交付金(約3,975億円)
・介護拠点の緊急整備(約3,011億円)

三輪氏は、2012年度の制度改正に向け、これらについて今年11月を目途に意見をとりまとめ、来年度の通常国会に政府に提案するため、今年いっぱい議論を深めていくとした。

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シルバーマークの軌跡

フランスベッド株式会社 専務取締役  竹中  正史 氏
竹中 正史 氏
一緒に創り上げたシルバーマークには業界の質を担保する役割を期待する

   一般的に日本の大学は、入るのは大変ですが、入ってしまえば卒業するまでは比較的簡単ですよね。逆にアメリカの大学は入るのは簡単ですが、卒業するまでが難しい。

これは私がよく使う喩えなのですが、シルバーサービスはアメリカの大学のような業界をめざすべきです。参入はしやすいが、サービスの質を維持し、継続していくのには大変な努力が求められる。

   介護保険制度上の指定基準は、報酬をいただくための、言わば最低限の基準ですので、質の担保につながるものではありません。参入してからが高いハードルのある業界をめざすためにも、介護保険制度以上の高い基準を求め、定期的にサービスの質をチェックするシルバーマークの役割には、これからも期待しています。

   当社が介護ベッドのレンタル事業を立ち上げたのは昭和58年のことです。ある顧客の「祖母が亡くなったのでベッドを下取りしてほしい」という一言がきっかけでした。それまでは30数万円する介護ベッドを病院や施設、一般の家庭向けに販売していたのですが、「必要なときに必要な時間だけ使いたい」というニーズに応えるサービスの一環として、スタートしました。

   しかし、当時は「レンタル」という業態になじみがなく、他人が使ったものを再利用することへの心理的な抵抗感が強かった時代です。安心してレンタルしていただくために、回収後のメンテナンスや消毒などの安全衛生管理を徹底し、どのように顧客に提供していくか、それこそ電話の受け答えのようなことについても、マニュアルを作りました。

   こうした我々の取り組みが浸透し、レンタル対象となるアイテム数も順調に伸ばしていくなか、シルバーマーク制度の創設の話があり、当社は福祉用具レンタルの先駆け企業として、基準づくりなどにも協力させていただきました。それだけに、シルバーマークに対しては「一緒に創り上げてきた」というほどの誇りをもっています。

    介護保険制度ができて、新たに指定基準が設けられ、シルバーマークの基準が薄れてしまったことは残念です。しかし、シルバーサービスは介護保険サービスだけではありません。当社では介護保険外のサービスを含めて、高齢期を迎えた団塊の世代に重点を置いたサービスや商品展開を考えています。団塊世代の多様なニーズに応えることは大変なことですが、一緒にシルバーマークを創り上げてきた経験は、そのようなところにも発揮できると思います。

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消毒マーク事業者訪問

株式会社レンタコム 代表取締役社長  金子  弘 氏
金子 弘 氏
消毒工程管理認定を全国27の事業所で取得。
福祉用具の品質管理には徹底してこだわる


   当社は、建築の仮設資材などのレンタル・リース事業を全国展開している、日建リース工業株式会社のグループ会社です。平成16年に福祉用具貸与・販売事業に参入し、全国に36の事業所を展開しています。あわせて、福祉用具の安全衛生管理を徹底するため、自社グループで消毒設備を整え、消毒工程の客観的評価を得られる「福祉用具の消毒工程管理認定制度」を27の事業所で取得しています。なお、福祉用具貸与・販売はレンタコム、消毒などの安全衛生管理は日建リース工業が行っています。

   異業種からの参入ですが、これまで培ってきた仮設資材等のレンタル・リース業の経験は、福祉用具のレンタルにおいても大いに役立っています。現場の安心・安全を提供するという意味では、建設も介護も基本的な概念は一緒。特に介護では、利用者の多くは抵抗力が低下しており、感染症にかかってしまったり事故を起こしてしまったりするリスクが高いため、品質管理には徹底してこだわっています。多大なコストをかけて自社グループで消毒を行うのも、こだわりがあるためです。認定制度を取得する以前から個々の商品すべてにバーコードを貼付し、購入日から品質管理、商品稼働情報などの履歴情報を追跡できるシステムを確立していたのも、その一環といえます。

   認定制度を取得したのは、こうした取り組みを利用者やケアマネジャーに理解していただけるよう、わかりやすく見えるかたちにするためです。ほとんどの利用者は、「福祉用具は安全・清潔なものである」という認識を持っており、消毒への関心はそれほど強くはないと思いますが、だからこそ、その信頼に応えるのが責務だと考えています。

   一方でケアマネジャーの方に対しては、しっかりと理解していただきたいと思いますので、年間8回ほど勉強会を開き、消毒の重要性や消毒工程への理解を深めていただいています。こうした取り組みのかいもあって、月間1割程度のペースで利用者が増えており、届いた消毒済のレンタル商品を見て多くの利用者が「新品だと思った」と言ってくださいます。

   認定を受けたことで、消毒などの安全衛生管理に対する従業員の意識も変わりました。当社では平成19年からベッド、車いす、エアーマットなど、商品の種別ごとにメンテナンスや消毒工程に関する知識と技術を審査、認定する「介護マイスター制度」を独自に制定しましたが、多くの従業員が取得に向けて研さんを積んでいます。マイスター制度には1級、2級があり、2級取得者は64名いますが、1級はメンテナンスから消毒まで全工程を一人でこなせるだけの幅広い知識と技術を求めており、取得者はまだ出ていません。認定は1年ごとに受け直さなくてはならないので、従業員の意欲向上、知識の更新にもつながっていると思います。

    近年、福祉用具を取り巻く環境は、価格の問題がクローズアップされるなど厳しい状況にありますが、今後は今の品質を維持しつつ、価格も含めて高いパフォーマンスを提供していきたいと思います。さらに、将来的には幅広く介護サービスを展開していきたいですね。現在はハード面のサービスしか提供できていませんが、今後はより利用者のニーズに応えていきたいと思います。

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『定年後の人生は在職中から準備を』

―シルバーサービス振興会月例会レポート

   シルバーサービス振興会は、3月2日、第219回月例研究会を都内で開催した。
今回は「企業退職者のこれからの社会・地域参加について」と題し、NPO法人事業サポートセンター常務理事の宇都木法男氏を迎えて、団塊世代の大量退職以後の動向や今後の方向性について講義を行った。
宇都木法男氏

   宇都木氏は大蔵省印刷局勤務、全印刷局労働組合中央執行委員、公共企業対等労働組合協議会(公労協)事務局次長、日本労働組合総評議会(総評)政治局次長、勤労者ボランティアセンター主幹などを歴任し、現職。

   宇都木氏は最初に、ボランティアが力を持つようになった経緯を解説。「市民運動やボランティアが社会的にもその力が認められるようになったのは1995年に起こった阪神淡路大震災の被災者を助けようと、ボランティアなど市民による活動の輪が全国に広がったことがきっかけ。市民による社会的活動は公害訴訟など、時には法そのものをも動かし、やがてNPO法という市民立法として成立することになった」と述べた。

   今回のテーマである「定年後の社会参加」については、定年後、社会的立場を失った定年男性のうつや自殺を未然に防止する役割もあるが、それ以上に、退職者のスキルが社会保障制度の基盤が揺らいでいる今後の日本社会に必要不可欠なパワーとなる」と語った。
    「そのためには、退職後の“第2の人生”に備えて、在職中から新たなスキルを身につける時間をもつべき。退職前に次の人生設計のために資格をとったりボランティアを体験することを企業がバックアップし、定年後も社会で自分を生かす方法を模索することが重要」とした。

   一例として、ヘルパー2級を受講し、デイサービスや施設でボランティアを行ったり、共働きの両親に代わって学童保育や保育園で送迎などを行う地域参加を、具体例を挙げて紹介。介護、福祉、子育て、環境など、そのジャンルは幅広く、NPO法人を設立して組織化し有償サービスとして提供している例も数多いと述べた。

    最後に宇都木氏は、「市民運動やボランティアを考えている人は、まずは各地の市民ボランティア支援センターや社会福祉協議会で相談に乗ってくれる。また、こうした地域社会参加を企業がもっと支援するような社会が望まれる」と結んだ。

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シルバーサービス振興会主催『高齢者のすまい』
セミナーレポート(1)

   シルバーサービス振興会は、11月24日、「高齢者のための今後のすまいに関する総合講座」を開催した。同振興会では、例年、高齢者にとってよりよい居住空間の整備促進に向けて「老人保健福祉施設の建設に関する総合講座」を開催してきたが、今年度からはより具体的な運営面のカリキュラムを加え、名称も新たにスタートすることとなった。
土生栄二氏

   この日は午前に2講義、午後に2講義と1日を費やし、現状把握から市場で勝ち残るための条件や戦略、具体的な事例までを、それぞれの分野の専門家が登場し、講義を行った。

   最初に、行政側から「高齢者施設をとりまく環境 介護保険制度をめぐる諸問題について」として、厚生労働省老健局振興課長の土生栄二氏が登壇した。

   土生氏は冒頭、介護保険導入の経緯と意義、施行開始から現在までの推移(認定者数、受給者数、財政同行、介護職員数など)を述べた後、制度に関して今後、取り組んでいくべきこととして、75歳以上の高齢者の増大、認知症高齢者の増加、高齢者一人暮らし世帯の増大などの課題を上げ、それに対する各種対策について説明した。

   続いて、施設と高齢者の住まいにテーマを移すと、介護保険制度の中では、高齢者の住まいは、まず第一に「地域包括ケアの実現」という枠組みの中で考えることの重要性を説いた。 地域包括ケアとは、医療、福祉、介護サービスをトータルでマネジメントして、高齢者の生活を支援するもので、そのためにはケアマネジャーはじめ保険者や主治医、サービス提供事業者ら多職種共同で取り組まなければならないとした。

    また、高齢者の住宅・施設と一口に言ってもさまざまな種類があり、それらは法によって利用者が限定されていたり、食事の有無や介護サービスの内包化の有無などでも分類できること、それぞれの該当と主な施設基準について、改めて共通認識を確認した。

    しかし現状、日本は北欧、米国などの先進国に比べて全高齢者に対する施設やケア付き住宅の数が圧倒的に少なく、先にあげた今後の課題とともに、高齢者施設や住宅の整備が急がれていると述べた。

    今年度の改正により、所管が国交省との共同管轄となった「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者居住法)」では、特に高齢者向け優良賃貸住宅の供給促進が進められており、公・民・自治体でさまざまな取り組みがなされていると、URの安心住空間創出プロジェクトや東京都の東京モデルなど、いくつかの事例を紹介した。

    一方、住みなれた住居で暮らす高齢者にとっても、地域密着型サービスの概要や、整備の進まない小規模多機能型居宅介護の詳細について解説し、こうした整備は居住型サービスと施設のバランスのとり方が難しく、地方分権が加速している中で、地域の情勢にあわせた整備が望まれると結んだ。

セミナーレポート(2)へ続く

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医療法人による高専賃ビジネスの展開『高齢者のすまい』
セミナーレポート(2)

   シルバーサービス振興会は、11月24日、「高齢者のための今後のすまいに関する総合講座」を開催した。この日は午前に2講義、午後に2講義と1日を費やし、現状把握から市場で勝ち残るための条件や戦略、具体的な事例までを、それぞれの分野の専門家が登場し、講義を行った。
今瀬俊彦氏

   午前中、2コマ目の講義は、「高齢者施設市場で勝ち残るための条件」と題して、株式会社今瀬ヘルスケアコンサルティング所長の今瀬俊彦氏が登壇した。

   今瀬氏は、1979年に厚生省(現・厚生労働省)医務局入省の厚生官僚から独立し、これまでに老健施設、有料老人ホームなど数多くの施設の開設に携わった経験を持ち、今回は、主に医療法人の展開について講義を行った。

   最初に民主党がマニフェストとしてあげた医療と介護分野の抜粋を確認し、介護施設の整備が計画どおり進んでいない現状の一方で、高齢者居住法の改正により、ケア付き賃貸住宅が急増している現状を披露した。

   これまで、国交省の管轄で主としてハウスメーカーが建てていた「高齢者住宅」が、一定の要件を満たすことで、社会福祉法人や医療法人が運営できることになったためで、今瀬氏は、ここにこそ医療法人が生き残るための道があると述べた。

    具体的戦略として、これまでは医療機関としての業務が大勢を占め、附帯業務は50%以下だった医療法人が、附帯業務の規制緩和が解けたことで、医療機関の業務が15%程度まで縮小することが認められ、代わりに附帯業務として有料老人ホームの経営や、ケア付き高専賃の建設・運用のほうへ大きく転換する医療法人が増えてきたことを紹介した。

    医療法人が運営する高齢者の住まいの提供は、主に診療所併設型・医療支援型高齢者住宅であり、この枠組みのなかでも、最近では透析クリニックが運営する透析療養支援型高齢者住宅、ターミナルケアを行う終身ケア・ホスピス対応型高齢者住宅など、他との差別化を図り独自の高専賃を展開する医療法人も現れているという。

    これら医療法人が運営する高専賃は適合高専賃と呼ばれるもので、その要件は、1)介護保険法に規定する特定施設入居者生活介護の対象、かつ2)老人福祉法に規定する有料老人ホームの届出が不要というもので、床面積や設備基準のほかに、入浴・排泄、もしくは食事の介護、食事の提供、洗濯、掃除等の家事または健康管理を実施するものと規定されている。

    その後、さまざまな事例を紹介しつつ、高専賃など、高齢者住宅の運営がビジネスとして成功するためのキーワードとして、これからの高齢者住宅は地域分散型とサービス連携が必須だと語り、分散型としては、1)サテライト型介護施設と高齢者住宅、2)小規模多機能生活介護の包括ケア、3)医療法人が参入する有料老人ホームの展開を視野に入れるべきとし、成功のための必須の連携として、1)緊急通報連動型24時間訪問介護、2)24時間出勤方訪問看護、3)小規模在宅支援病院との連携の重要性を述べた。

セミナーレポート(3)へ続く

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施設職員のストレス1位は「洗濯物分別」『高齢者のすまい』
セミナーレポート(3)

   11月24日、シルバーサービス振興会主催のセミナー「高齢者のための今後のすまいに関する総合講座」が開催された。3人目の登壇者として、株式会社メッセージ取締役執行役員の奥村孝行氏が「高齢者のすまいについての経営戦略」をテーマに講演を行った。
奥村孝行氏

   奥村氏は冒頭で、株式会社メッセージが「アミーユ」というブランド名で運営する有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅、グループホームや居宅サービスなどの事業内容について説明。「アミーユ」のコンセプトとして「ノーマイラゼーション(普通の生活)の実現」を挙げ、入居者が個人のペースで自由に生活できるように日々の計画を作成しなければならいと述べた。

   次に、アミーユで統計をとった結果、職員に最もストレスを与えているのは洗濯物分別で、居室掃除、移動介助、入浴介助などを上回っていることを明かした。これを受けてアミーユでは、居室に洗濯機の購入を促したり、浴室を設置するなど自分でできることを自分でしてもらう工夫をしたと説明。入居者の能力を向上させ、その分の職員の労力を他の介助に費やした結果、職員のストレスが減少し、給与の向上にもつながったと報告した。

   また奥村氏は、施設でのケアマネジメントについて、一般的にケアマネジャーは24時間のケアプランは作成しないこと、自然と集団単位の同時援助を行うため、個人の顔が見えにくいことを指摘。個人個人で生活パターンが違い、提供するサービスへのニーズも異なることから、ケアプランに基づいた個別スケジュールの管理が求められると説明した。

   その上で、個人のニーズにもとづいたサービスと施設業務を同時並行で効率よく実施するために、24時間の介護スケジュールを作成するソフト「Axist1」を紹介。「Axist1」は、入居者の介護スケジュールをシミュレーションして必要な援助を提供するだけでなく、介助に必要な時間やその時間帯にずれがないか、人員は適正かなどを検証することが可能。介護スケジュール、介護記録、職員や施設全体のスケジュールを一度に管理し、効率的な業務票を作成することができる。

    奥村氏は、援助の効率性を考えることは決して悪いことではないとし、「必要な援助を必要な人に提供することが重要である」と述べた。

セミナーレポート(4)へ続く

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「3問アンケート」で課題を抽出『高齢者のすまい』
セミナーレポート(4)

   11月24日、「高齢者のための今後のすまいに関する総合講座」がシルバーサービス振興会主催で開催された。1日かけて行われたセミナーで最後に登壇したのは、株式会社船井総合研究所糠谷チームチーフコンサルタントの糠谷和弘氏。「地域一番となる高齢者施設サービス」と題して講演した。
糠谷和弘氏

   糠谷氏はまず、失敗する高齢者施設の共通項について説明。高齢者が求めているものは、静かで邪魔されない環境ではなく、家族が訪れやすい立地や寂しくない環境、住み慣れた町並み、子供・若者が集う普通の環境であるということを理解していないと失敗しやすいと述べた。このほか、高齢者は建物ではなくそこで過ごす時間にお金を払うことや、コンセプト、ターゲット、こだわりのサービスなどを明確にすることを意識しなければならないといった失敗しないための工夫を解説した。

   次に、いま市場で何が求められているのかについて、明確なコンセプトを設定することにより、わずかな時間でもわかりやすい説明ができるようになり、これが信頼感や安心感につながると述べた。

   また、マーケティングの三原則として、1)「誰に」(対象者)を絞り込む、2)「何を」(磨きこむサービス)を絞り込む、3)「どのように」(伝達方法)を強化するを挙げ、これらを明確にすることが重要とした。

   講義の後半には、地域で一番の高齢者施設サービスを提供するために、これからの高齢者住宅に必要なこととして以下の5つを挙げた。

  • 1)カウンセリング機能の強化
  • 2)「サービス業」への進化
  • 3)絶え間ない品質向上
  • 4)「仕入れ」を強化
  • 5)人材の成長に、事業計画を割り当て、展開スピードを倍増

5つの項目について、この事業においては、サービスを提供するスタッフが商品であると説明し、全面的な個別対応を強化し、向上し続けることが重要であると解説。また、ほめていただけること、お叱りを受けること、取り組んでほしい新しいサービスの3つを質問する「3問アンケート」を実施することにより、課題を抽出していくことも提案した。

    糠谷氏は最後に説明してきた内容について振り返り、「明日から実践するテーマを決めてください」と呼びかけて、講演を終えた。

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