在宅での介護「新たなサービス、小規模多機能型居宅介護」
4月から介護保険制度が大きく変わります。制度がどのように変わるのか戸惑いがあり、現場はいつもの雰囲気とは違っています。今回の制度改正の目玉は地域密着型サービスと介護予防型サービスの二つです。また、これまでサービスについては都道府県のかかわりが多かったのですが、市町村が核となり、身近なところで事業者が提供するサービスの実態を見ていくことになります。ここでは、1つのサービスに焦点を当てて、メッセージしたいと思います。
新たなサービスとして、地域密着型サービスの1つ、小規模多機能型居宅介護というものが登場します。利用者や家族があればいいなと希望していたことを形にした宅老所などがモデルとなって、先駆的なサービスから生まれたものです。
これまではデイサービスはデイサービスの機能、ショートスティはショートスティの機能、訪問介護は訪問介護の機能と分化してそれぞれの役割を担って有効に機能してきました。それらはそれぞれに特徴を有し、ニーズに対して目標を設定し、必要な時間帯に必要な内容のサービスをケアプランに組み込んで提供されています。しかし、時として、介護を連続の形で、今すぐ必要な家族にとっては、なんともジレンマの多いサービスになってしまう可能性もあったはずです。
小規模多機能型居宅介護は、この3つのサービスを効率的に効果的にマネジメントできる可能性のある優れたサービスであると言えます。4月から、この小規模多機能型居宅介護に取り組む介護事業所がどれほどあるかわかりませんが、このサービスが広がれば、家族が相談したいときに相談でき、介護に疲れたら宿泊機能を活用したり、訪問機能を活用することによって、疲れを癒し体調を整えることができます。家族としては行いたいとは思っていない「精神的疲労の限界から来る虐待」が減ることは確かなのではないかと予測されます。ここで暮らしたいと願うことを叶えられる、ひとつのサービスになれるのではないでしょうか。
小規模多機能型居宅介護は登録制となります。最大25名の登録。1日の利用者は最大15名。宿泊では訪問・宿泊担当の2人の職員が夜間在中し、最大9名の利用が可能になります。また、居宅介護という名前の通り、ケアマネジャーがここにいて、利用者のケアプラン・小規模多機能型居宅介護計画を作成することになります。このサービスを利用しているときは、類似するサービスである訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、通所リハ、ショートスティなど数種は利用できないことになっています。また、介護報酬が1回につき幾らと金額を請求されるのではなく、1ヶ月幾らとまるめの報酬が示されました。ケアマネジメントで必要とされたら、必要な回数宿泊が可能になります。訪問体制が必要なら、それをプラン上に組み込み実行できます。
サービスを抱えこまないことが重要であると、介護保険制度の研修会やケアマネジャーの研修会などでは、そのことについて、くどく説明されてきました。抜け道を考える業者は締め出すのは勿論ですが、なぜこのサービスが求められてきたのかを、ケアマネジメントの原点に戻ってもらえれば、理解ができるでしょう。
このサービスでは、地域の方を交えた「運営推進委員会」を設置することが義務付けられています。地域に根ざしたサービスが、今、サービスを利用するご本人や家族が求めているものだろうと思います。地域でこのサービスが育つように見守ってもらいたいと願っています。
(2006年4月)